Pesanteの重さ・位置の設定

奏法、音色に合わせた調整をお楽しみください

チェロを安定させるためのおもり Pesante(ペザンテ)は、重さや装着する位置、左右の回転角度によって奏法や音色に違いが出ます。
エンドピンの長さ、椅子の高さ、演奏する曲の時代やキャラクターにあわせて取り付け方を変化させ、皆さまにとって好みのセッティングを見つけて下さい。

重さ

Pesanteの重さはおもり+フック 677gに、追加おもり300gを加えて977g、1,277gと変化させることが可能です。


複数のチェロ奏者と演奏に使用してきた中で、重さの違いは弾き心地と音色に関係してくる様に感じています。
軽いと解放的に、重いと音に芯が出る傾向に。

バッハなど時代の古い作品にはおもりは軽く、ショスタコーヴィチのように重い音色が必要な場合には重くすると濃い音が出ます。バッハの無伴奏組曲は音域が低いので、重くするとかすれ難いという考え方もあります。

楽器ごとの特徴や、弦の新旧によってもイメージが変わり、弦が新しく楽器開放的な状態でPesanteを重くすると、とても良く鳴り、伸びやかさや表現力が出てベストだと思います。

弦が古いと音が詰まるのでPesanteを軽くして解放的な音色にもできます。

装着位置:高さ(楽器より・床より)

Pesanteを取り付ける際の位置(高さ)を、楽器よりにするか、床よりにするかでも弾きごこちや音色に違いが出ます。
楽器よりに高く装着すると、音に芯が出て、楽器が自分へ倒れ込む力が強くなり安心感が生まれます。

床寄りにすると響きが出て、軽く感じるのにエンドピンが滑らない信頼が生まれます。


小柄な方にとって大型バイクを扱うのが大変なように、大きな楽器であるチェロを支える力を使いながら演奏するのは大変なことです。楽器が寄り添うように自分を頼って近づいて来てくれる事で、正確な音程、ヴィブラートしても揺れない、弓との接点が良くなり、透明感のある弱音から張りがあり朗々と響く強音まで、表現力を高めてくれます。

装着位置:左右の回転角度

Pesanteを取り付けた際の角度(向き)は、水平に構えたチェロに対し垂直下に装着するのが基本です。

Pesanteをわずかに右上(A線側を高くした状態で地面に対して垂直)に止めるとアップ(V)のボウイングの時に発音が良くなります。

これは楽器を挟まず、左膝の上に楽器を乗せて構えている人に特に有効です。